調湿建材とは。基準や建材の種類などを解説
現代の住宅において、快適な室内環境を維持するためには、適切な湿度管理が欠かせません。
湿度が高すぎるとカビやダニの発生を促進し、低すぎると肌や喉が乾燥しやすくなります。
このような問題を解決するために注目されているのが「調湿建材」です。
調湿建材は、室内の湿度を適切なレベルに保つために開発された建材で、自然素材や最新の技術を駆使して作られています。
この記事では、調湿建材の基準や種類について詳しく解説します。
調湿建材とは
調湿建材とは、室内の湿度を適切に調整してくれる建材のことです。
調湿建材は、吸湿性や放湿性を持ち、室内の湿度を一定に保つ効果があります。
代表的な調湿建材でいうと、珪藻土や漆喰の塗り壁が思い浮かぶ人が多いかもしれませんが、
現在は調湿パネルや調湿タイルといった種類もあります。
調湿建材を使用することで、カビやダニの発生を抑え、健康で快適な住環境を実現できます。
調湿建材の基準
調湿建材の基準には、調湿建材表示制度が設けられています。
この制度は、所定の調湿性能を持つ建材が、一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会で登録し、マークを表示できるというものです。
建材の吸湿性や放湿性などの性能を試験し、その結果を基に調湿性能を数値化します。
これにより、建材の調湿効果を正確に把握し、調湿建材表示制度のマークがある製品を選ぶことで、信頼性の高い製品を選ぶことができ、安心して使用することができます。
調湿建材マーク表示審査
<調湿性>
・吸放湿量が基準以上であること
・平衡含水率が基準以上であること
<品質及び施工>
・適切に生産管理・品質管理され安定供給が可能なこと
・調湿以外の品質が材料個別の規格・基準に適合していること
・施工方法・取扱方法の指導が出来ること
調湿建材の主な種類
調湿建材には種類があり、「湿式工法」と「乾式工法」に大別されます。
それぞれの特徴をご紹介します。
湿式工法(珪藻土や漆喰などの塗り壁)
湿式工法は、現場で材料を混ぜ合わせて塗り付ける施工方法です。
湿式工法で使用される代表的な調湿建材には、珪藻土や漆喰があります。
珪藻土は、微細な孔が多く、吸湿・放湿性能が高いため、室内の湿度を安定させる効果があります。
漆喰も同様に、吸湿性があり、さらに抗菌・防カビ効果も持つため、健康的な室内環境を保つのに適しています。
湿式工法の特徴は、塗り壁ならではの質感や風合いを楽しめる点にあります。
ただし、施工には技術が必要であり、熟練した職人による施工が求められるため、施工コストが高くなる場合があります。
乾式工法(パネル・タイル状)
乾式工法は、工場で製造されたパネルやタイル状の建材を現場で取り付ける方法です。
乾式工法のメリットは、施工が比較的簡単で短期間で済む点にあります。
工場で均一に製造されるため、品質が安定しており、DIYでも取り扱いやすいのが特徴です。
また、パネルやタイルのデザインや色が豊富で、インテリアに合わせた選択が可能です。
材料費自体も一般的なビニールクロスと比べると高く、さらに既製のサイズのパネルやタイルを取り付けていくため、収まらない部分をカットする分、コストが高くなる可能性を考慮しなければいけません。
まとめ
調湿建材は、快適な室内環境を維持するために効果的です。
適切な湿度を保つことで、健康被害を防ぎ、建物の劣化も防ぐことができます。
特に、カビやダニの発生を抑制する効果があるため、アレルギーや喘息などのリスクを低減することができます。
また、自然素材を利用した調湿建材は、環境にも優しく、持続可能な社会の実現にも貢献します。
しかし、調湿建材を選ぶ際には、その性能や適用範囲をしっかりと確認することが重要です。
湿度管理だけでなく、断熱性能や防音性能など、他の性能も考慮することで、より快適な住環境を実現できます。
さらに、施工方法やメンテナンスのしやすさも重要な選定ポイントとなります。
本記事を通じて、調湿建材の基準や種類について理解が深まり、実際の住宅選びやリフォームの際に役立てていただければ幸いです
ゆいまーるClubでは、自然素材にこだわり、住まう人が元気に毎日を心地よく過ごせる住まいをつくることを大切にしています。