あなたの家がリノベできなくなる?~意外と知られていない法改正のはなし~
こんにちは、ライフスタイルプロデューサーの田邉です!
みなさんお盆はいかがお過ごしでしたでしょうか?
私は前半は毎年恒例の淡路島の別荘(会社のですよ!!)で過ごし、後半は出雲大社でパワーをもらってきました。お陰で休み明けも全開で動き回っております!!
さて久しぶりに大真面目なお話を致します。
特に古い一戸建てを所有している方には聞いて頂きたい話です。
2025年4月 4号特例の見直し
と聞いてピンとくる一般の方がいたらスゴいです!!
業界人でもまだ知らない人はいっぱいいます。
リノベ-ションの分野に限定して簡単に言うと、
あなたの家がリノベできなくなる
または
できるけど余分なお金がかかり、メチャクチャ面倒臭くなる
可能性が非常に高くなるということなんです。
国土交通省HPより
何でそんなことすんの?
いや、ホンマにそれです!(消費者目線でお送りしています)
また国が建築業界の機嫌を取るために、お金が発生するような法律改正をしたんちゃうん?(消費者目線でお送りしています)
こんな声も聞こえてきますが、私には正直何のメリットもございません。
むしろこんなブログを書く手間が増えただけで、なんにも儲かってません、、、
しかし真面目に語ると、住宅の安全性や様々な性能を向上させていくための施策なので必要なことではあると思っています。
特に先日の大きな地震で南海トラフ地震臨時情報が初めて適用され、大地震への対策は待ったなしの状況でもあります。
今回は必要不要の議論は置いといて、4号特例の見直しというものがどういうものなのかを理解し(一読ではできないとは思いますが)、今の家をどうするべきなのかを真剣に考えるための参考にしていただければと思います。
具体的にどうすれば良いかの選択肢は下記の6つです
1. 法改正までにリノベをやっておく
2. 趣旨を理解して(改正に関わらず)リノベをする
3. 法律に掛からない範囲でリフォームする
4. リノベをやめて建替えをする
5. 売却して住み替える
6. 諦めて放置する
言うまでもありませんが、6はやめておきましょう。
では詳しくお話していきましょう。
※このブログの最後にセミナーのお知らせがあります
建築基準法4号特例とは?
まずは建築基準法の4号特例について簡単に説明します。
この特例は、木造の住宅など一定の小規模建築物に対して建築確認申請を免除するというものでした。この特例により、特定の小規模建築物においては、迅速かつ簡便に工事を開始できるメリットがありました。
しかし、耐震性や防火性能といった安全性の向上が求められる中で、この特例が廃止されることになりました。具体的にどのような変化があるのか、次に詳しく見ていきましょう。
国土交通省HPより
特例廃止がもたらす新たな手続きとコスト
「4号特例の廃止に伴い、今後は全ての木造一戸建て住宅の修繕や模様替えにおいて建築確認申請が必須となります。これにより設計段階での法令遵守が強く求められるようになります。
具体的には、次のようなプロセスを経る必要があります。
- **設計段階での確認** – 建物の構造や耐震性が法令に適合しているかを確認。
- **建築確認申請の提出** – 申請書類を作成し、役所に提出。
- **工事開始までの待機期間** – 建築確認が完了するまで工事を開始できません。
このような手続きにより工期が延びる可能性があり、設計や施工のコストも増加することが考えられます。
国土交通省HPより
検査済証が無い建物についての注意が必要
ここで特に重要なのが、『検査済証』が無い建物についてです。
検査済証とは建築確認申請後に建物が完成し、法令に適合していることを証明する書類です。
しかし特に古い建物や4号特例の対象だった建物の中には、この検査済証が無いケースが多く見られます。
みなさんのお住まいはいかがでしょうか?
そして検査済証が無い場合、以下のようなリスクや注意点が考えられます。
**売買時の価値低下**
検査済証が無い建物は、売却時に評価が低くなる可能性があります。また、買い手が見つかりにくくなる場合もあります。
**融資の難航**
住宅ローンの融資を受ける際に、検査済証の有無が審査に影響を与えることがあります。融資を受けるために、追加の書類提出や保証が求められるケースもあります。
**リフォーム時のトラブル**
建物が法令に適合していない可能性があるため、リフォーム工事の際に問題が発生することがあります。例えば、耐震補強が必要になる場合や、違法建築として取り扱われるリスクも考えられます。
このようなリスクを避けるため、検査済証が無い建物のオーナーは事前に建物の現状を把握し、必要に応じて法的な手続きや追加の確認を行うことが重要です。
法適合状況調査の重要性
法適合状況調査は、建物が現在の建築基準法に適合しているかを確認するための重要なプロセスです。主に以下の項目を確認します:
**構造安全性の確認**
建物の耐震性能や構造的な強度が、現行の基準に合致しているかを調査します。
**防火性能の確認**
防火壁や防火扉、建物の避難経路などが法律に適合しているかを確認します。
**建築物の用途地域との適合性**
建物の用途が、建築されている地域の用途制限と適合しているかを確認します。
**その他の法令遵守項目**
建築基準法だけでなく、都市計画法や消防法など、他の関連法令にも適合しているかを調査します。
第三者機関による耐震診断の重要性
特に耐震性能の評価については、第三者機関による耐震診断が非常に重要です。
耐震診断を通じて、建物が地震に対してどれだけの耐久性を持っているかが明らかになります。
耐震診断には次のようなメリットがあります:
**客観的な評価**
第三者機関による診断は、建物の耐震性能について客観的な評価を提供します。これにより所有者やリフォーム業者が信頼できる情報を基に適切な決定を下すことができます。
**必要な耐震補強の特定**
診断結果を基に建物のどの部分が耐震補強を必要としているかを特定できます。これにより効率的な補強工事が可能になります。
**将来的な安心感**
耐震診断を受け必要な補強を行うことで、地震発生時の安全性が向上し居住者や建物に対するリスクを大幅に軽減できます。
建築確認申請書や構造計算が無い場合の復元作業
建築確認申請書や構造計算が無い建物の場合、特に古い建物では法適合状況調査や耐震診断を行う際に復元作業が必要になることがあります。具体的には以下のような作業が含まれます。
**設計図書の復元**
建築確認申請書や構造計算書が存在しない場合、当時の設計図書や建築履歴に基づいて現行の基準に適合するように設計図を復元する必要があります。これには、建物の寸法や構造、材料の詳細な調査が含まれます。
**構造計算の再実施**
既存の建物に対して現在の耐震基準を満たしているかどうかを確認するために、構造計算を再実施します。この作業は、建物の耐震性能を確保するために重要です。
**建築確認申請の再提出**
復元した設計図書と構造計算を基に、新たに建築確認申請を提出する必要があります。このプロセスを経ることで、建物が法的に適合していることを確認します。
これらの復元作業は、時間とコストがかかる可能性がありますが、長期的な視点で見れば建物の安全性と資産価値を維持するために不可欠です。
特にリフォームや修繕を計画している建物においては、これらの手続きを事前に行うことが後々のトラブルを防ぐために重要です。
既存不適合建物について
既存不適合建物とは、建築当時は適法であったものの、その後の法改正によって現在の基準に適合しなくなった建物を指します。このような建物に対しては以下の点に注意が必要です。
**リフォームや修繕の制約**
既存不適合建物を大規模に修繕したり増改築を行う場合、現行の法令に適合させる必要があります。これには、耐震補強や防火対策の追加が求められることがあります。
**既存不適合の認識と対応**
既存不適合建物であることを認識し、将来的なリスクを最小限に抑えるための対応策を講じることが重要です。特に耐震性能の確認や必要な補強を行うことで、安全性を確保することができます。
**法的リスクの把握**
既存不適合建物を所有する場合、売却や賃貸時に法的リスクが生じる可能性があるため事前に適切な対応策を検討することが望ましいです。
調査と診断、復元作業の費用の目安
**法適合状況調査**
小規模な住宅(100㎡未満)で20万円から50万円程度
中規模な住宅(100㎡から300㎡)で50万円から100万円程度
大規模な建物(300㎡以上)では100万円以上が目安です。
**耐震診断**
一般的には30万円から100万円程度が必要です。耐震補強工事が必要な場合そのコストも追加されます。
**復元作業**
設計図書の復元や構造計算の再実施には、数十万円から数百万円の費用が発生する可能性があります。また建築確認申請の再提出には申請手数料や追加の設計費用がかかります。
調査と診断、復元作業の利点
**現状把握とリスク管理**
建物の法的・耐震的な現状を正確に把握することで、リフォームや修繕計画が効果的に進められます。また将来的なリスク管理としても非常に重要です。
**資産価値の維持・向上**
法適合状況調査、耐震診断、そして必要な復元作業を行うことで、建物の資産価値が維持され場合によっては向上することも期待できます。
法適合状況調査、第三者機関による耐震診断、復元作業、そして既存不適合建物への対応は、建物の安全性と法的適合性を確保するために欠かせないプロセスです。特に、建築確認申請書や構造計算が無い建物または既存不適合建物を所有する方には、リフォームを検討する前にこれらの作業を行うことを強くお勧めします。
大規模修繕・模様替え時の注意点
大規模な修繕や模様替えを行う際には、いくつかのポイントに注意が必要です。特に重要なのは、設計者や施工業者との緊密なコミュニケーションです。
**法令に準拠した設計**
建築基準法の要件を満たす設計を行う。
**建築確認の適切な手続き**
必要な書類の作成と提出をスムーズに行う。
**施工中の安全管理**
工事現場での安全対策を徹底する。
これらのポイントを押さえることで工事がスムーズに進行し、安心して住み続けられる住宅を手に入れることができます。
以上のように4号特例が見直されると、これまでになかった様々な作業を経ないとリノベーションができなくなることが分かりました。
こういったことを踏まえて、改めて考えます。
1. 法改正までにリノベをやっておく
2. 趣旨を理解して(改正に関わらず)リノベをする
3. 法律に掛からない範囲でリフォームする
4. リノベをやめて建替えをする
5. 売却して住み替える
6. 諦めて放置する
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たくさんの内容をお読みいただきありがとうございます。
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