杉材のフローリングが活きる環境。メリットデメリットも解説
最近は住宅の床材として、無垢フローリングが使われた住宅が多くなってきました。
その中でも特に使われる素材として、杉材があります。
今回は、そんな杉材を使ったフローリングについて特徴や杉フローリングにすることのメリットデメリット、メンテナンス方法などについてご紹介します。
杉(スギ)とは
杉は日本の固有種です。
国有種とは特定の国や地域にしか生息、生育、繁殖しない生物学上の種のことで、杉は主に本州や四国、九州に分布している樹種になります。
室町時代である約500年前より植林されていて、戦後には拡大造林として日本各地で植林が進みました。
日本の杉のほとんどが人工造林されているものになりますが、秋田地方や屋久島などには天然杉があり、天然杉の産地として有名な場所もあります。
杉は机や椅子などの家具であったり桶、樽などに用いられることが多いのですが、日本では手に入りやすい木材として人気があります。
杉と檜(ヒノキ)の違い
杉と同じく、日本の代表的な樹種の一つに檜があります。
杉と檜は見た目の区別がつきにくいと言われています。
その理由は、二つとも同じ針葉樹であるからです。
見分けるためには木目であったり、木の香り、木の内側などに注目することが大切になってきます。
杉と檜の見分け方
杉は木目と呼ばれる年輪の模様がはっきりしています。
質感も軽く、柔らかいものになっています。
節にツヤがなく、木肌はツヤが少なくなっていて年輪が浮き出やすいです。
さらに、檜のように独特な強い香りはしません。
日本を代表する木材でもあり温かみがあり、やさしい肌触りであったり、とても爽やかな香りが特徴的な杉ではありますが、乾燥する時に時間と技術が必要となる木材になるので、使用する際は、業者に頼むと良いでしょう。
檜は木目が薄くなっており、真っ直ぐに流れています。
質感は古くなるにつれて、硬くて重くなり、節にはツヤがあって、赤みもあります。
木肌はツヤがあるため美しくきめ細やかなものになっていて、香りは檜特有の強い香りがあります。
杉は檜に比べると、安い木材となりますが、檜は杉に比べて資源の量が少ないことや、植林してから収穫するまでの年数が長くかかるため、杉より高価な木材として扱われています。
そのため、杉と檜では価格の差が出てくるため、安くてコストパフォーマンスを重視した木材を使用したい時には、杉を使用することをおすすめします。
こちらも日本でよく使われる木材で、杉に比べると硬くなっているので強度があります。
そして、檜の特有の森の香りを感じさせるような匂いであったり、美しい光沢がとても人気が高い理由です。
また、シロアリや木材腐朽菌と呼ばれる木材を腐らせる菌などにも強いため、建築材として優れていると言えるでしょう。
杉フローリングの特徴
合板フローリングは表面が加工されてあるのに対して、無垢の杉の床材は足ざわりが良くなり、杉材自体が持っている断熱性や蓄熱性が加わることで夏はべたつかずさらさらに、冬はほんわかと暖かくなります。
また、杉を使用しているため見た目や匂いもよく、視覚的にも嗅覚的にもリラックス効果が期待できます。
杉フローリングのメリット
先述した通り、足ざわりや断熱性、蓄熱性のほかに、見た目や匂いがいいなど、メリットを上げればきりがないのが杉フローリングとなります。
また、そのほかのメリットとしては代表的なものに柔らかさというものがあります。
杉フローリングが柔らかい理由としては、杉が空気を多く含んでいる素材だからというものがあります。
また、空気を多く含んでいるから暖かいという特徴も生まれています。
手の温もりが、杉材の空気層に跳ね返って、自分に戻ってくるためです。
特に寝室にオススメの床材となっています。
杉フローリングのデメリット
これだけメリットが多い杉フローリングですが、もちろんデメリットもあります。
杉に限らず、無垢材のフローリングは一般的に表面にコーティングしてある新建材や合板フローリングに比べ、柔らかいためキズが付きやすく、汚れやすいというデメリットがあります。
ただし、杉材はメンテナンス次第で、キズや汚れを補修でき、かえって味がでます。
また、木は温度や湿度によって収縮を繰り返すため、湿度の低い冬は木材同士の隙間が広がったりもしますので、神経質な方や気になりそうな方はこのような特徴があることをご理解してください。
杉フローリングのメンテナンス方法
合板フローリングと比べて、無垢材の杉フローリングはよく、メンテナンスがしにくそうと言われます。
恐らく無垢材というところから、デリケートな素材である印象を持たれる方が多いのでしょう。
実際には、メンテナンスはそこまで大変ではありません。
普段のお手入れは月に1回程度の水拭きで問題ありません。
キズや汚れは先述の通り付きやすいですが、それも杉の味というもの。
キズがついたら、紙やすり(サンドペーパー)をかけてメンテナンスを行い、定期的に天然オイルを塗ることで汚れから守ることができます。
どうしても気になるという方は、天然オイルを塗ることでキズや汚れから多少は守ることができます。ワックスを使用される際は、蜜蝋ワックスという天然ワックスがおすすめです。
杉フローリングがオススメの環境
多少のキズや汚れなら気にせずむしろ味と捉えるような方が住まれる環境なら、杉フローリングはかなりおすすめだといえます。
また、椅子を多用される方も杉フローリングを使う際には注意が必要です。
椅子の硬さに杉の柔らかさが負けてしまい、余計にキズが付きやすくなってしまいます。
椅子に何らかの工夫を施してキズが付きにくいように工夫をしましょう。
まとめ
弊社は、お客様に杉フローリングの良さを最大限感じていただけるように、素材選びから真剣に選ばさせていただきます。
よろしければ下の施工事例を見ていただき、杉フローリングに対するイメージを膨らませていただければと思います。
施工事例|杉フローリング