ウォークスルークローゼットとは?機能性とおすすめの配置を紹介
住まいの悩みでよく挙がるのは、収納不足や収納の使い勝手の悪さです。
長く暮らしていると、趣味のものや子供の成長過程で荷物が増えて、クローゼットからあふれてしまうことも多いですよね。
そして今回おすすめするのは、収納力が抜群でおしゃれなウォークスルークローゼットの間取り。
ウォークインクローゼットはよく耳にすることがあると思いますが、ウォークスルークローゼットはまだ聞きなじみのないことが多いかと思います。
それでは、ウォークインクローゼットとの違いやメリット・デメリット、おすすめの配置をご紹介します。
ウォークスルークローゼットとは?
ウォークスルークローゼットは日本の住宅ではまだ採用例が少ないため、なじみのない方も多いと思います。
ウォークスルークローゼットとは、人が中まで入って通り抜けできるタイプのクローゼットを指します。
2つの出入り口を設けているので通り抜けができ、それぞれの出入り口から別の部屋に通じています。
収納と移動動線という2つの機能を持たせた間取りで、おしゃれかつ機能的な二面性を持った間取りとして人気が出ています。
ウォークスルークローゼットとウォークインクローゼットの違い
ウォークインクローゼットとウォークスルークローゼットは、どちらも中まで人が入ることができるクローゼットです。
明確な違いは、「出入り口の数」です。
ウォークインクローゼットは普通の部屋と同じように、出入り口が1つの収納専用の小部屋であることに対し、ウォークスルークローゼットは出入り口が2つある収納と廊下の役割を併せ持った間取りとなっています。
住まいの敷地は狭いけど、人が中に入れるクローゼットが欲しいという方に、ウォークスルークローゼットがおすすめです。
使えるスペースが無駄にならないだけでなく、行き止まりの動線がなくなるため利便性がアップします。
ウォークスルークローゼットのメリット・デメリット
ウォークスルークローゼットを採用するメリット・デメリットについて紹介します。
ウォークスルークローゼットのメリット
住まいの動線ができる
廊下以外の動線ができるため住まいの使い勝手がよくなります。
家事の動線内に配置すれば、遠回りを避けて毎日の暮らしをスムーズに効率化することができるでしょう。
クローゼット自体の使い勝手アップ
大きなスペースで自分自身が中に入って移動できるウォークスルークローゼットは、一般的なクローゼットより効率的に使いこなすことができます。
ハンガーをかけるスペースがたくさんできるので、お気に入りの洋服がしわになりにくく、その日のコーディネートを選びやすいのでおしゃれ好きの方にもおすすめです。
洗濯後のアイテムをしまいやすく、どこに何があるか一目でわかるので使い勝手がアップします。
ショップ風のおしゃれな仕上がり
手持ちのお気に入りの服を飾るように収納できるウォークスルークローゼットはデザインの自由度が高く、アパレルショップのディスプレイのようにおしゃれな収納に作り上げることができるのもポイントです。
あえて、扉をつけず照明にこだわって寝室やリビングから見える間取りにする方も多いのがこの間取りの特徴です。
光が入って明るい
行き止まりがあるウォークインクローゼットや普通の収納は、光が入らないのでどうしても暗くなりがちです。
二方向に出入り口を設けるウォークスルークローゼットなら、両側の部屋からの自然光を取り込み、明るい空間を作ることが可能です。
通気性がいい
壁で仕切られているスペースより、二方向に出入り口がある構造のウォークスルークローゼットは通気性がよく、大切な洋服をカビさせてしまうという事態を防ぎます。
ウォークスルークローゼットのデメリット
広いスペースが必要
ウォークスルークローゼットを使いやすく作るためには、十分なスペースの確保が必要です。
一般的なクローゼットより少し広めのスペースが必要になるため、リビングとの広さのバランスは悩みのポイントです。
収納に面積の割合を割きすぎて、リビングや寝室に圧迫感が出てしまっては意味がないので、ちょうどいいバランスを考えて作りましょう。
水回りの隣は湿気が溜まりやすい
水回りに隣接すると湿気が溜まりやすいので配置には注意しましょう。
しかし、寝室から洗面につながる配置は人気が高いので水回りに隣接した作りにしたい場合は、換気性能を確保し、住まい全体の風の流れを考慮して換気計画を立てることが大切です。
配置に配慮しないと使いにくい
うまく設計するととても便利なウォークスルークローゼットですが、あまり考えずに作ってしまうと逆に不便になってしまうケースもあります。
通り抜けできるという最大のメリットを、意味のない場所に作ってしまうとそのメリットが全く活かされません。
利用シーンまでしっかり想定し、通り抜けできたら便利な場所に作ることが重要です。
ウォークスルークローゼットで失敗しないための注意点
ウォークスルークローゼットを採用する場合、デメリットを考慮したうえで設置しないと、使い勝手の悪い収納になってしまいます。
ここからは、ウォークスルークローゼットで失敗しないために知っておきたい注意点をご紹介します。
設置前に動線の検討をする
ウォークスルークローゼットを設置するときは、動線や距離を把握の検討が必要です。
誤って狭い幅で設置してしまうと、回遊率が悪くなる恐れがあります。
設置前に動線と合わせて幅や寸法も確認しておきましょう。
整理整頓を心がける
「見せる収納」の長所を生かしたウォークスルークローゼットは、日頃から整理整頓を心がける必要があります。
衣類や小物類を雑然と置いてしまうと、せっかくの回遊性やインテリアが台無しになってしまいます。
水回りの近くに設置する際は、換気を徹底する
キッチンや洗面所、浴室などといった水回りの近くに設置する場合は注意が必要です。
ウォークスルークローゼットは一般的なクローゼットと比べると通気性に優れていますが、設置場所によっては湿気が溜まりやすくなります。
水回りに設置する場合は、こまめな換気や、クローゼット用の調湿剤、カビ取り剤で手入れをしましょう。
なるべくなら、通気性の良い場所に設置することが望ましいです。
引き出しのスペースを確保する
ウォークスルークローゼットに引き出しや収納ボックスを設置する場合は、引き出しを手前に引くスペースも考慮しましょう。
衣装ケースの場合、60cm程度の奥行きが必要になります。
中身を取り出す際のスペースにも余裕があるか確認し、ストレスのない設計を心がけましょう。
設置する扉によってイメージが変わる
ウォークスルークローゼットに扉を設置するかどうかは好みで選ぶとよいでしょう。
通気性や見せる収納を重視する場合は扉なしがおすすめです。
しかし、クローゼット内を見えないようにしたいのであれば扉が必要です。
扉を設置する場合は、扉のカラーや建具によって部屋の印象が変わるため、部屋全体のコーディネートと合わせて決めましょう。
ウォークスルークローゼットの設置パターン
ウォークスルークローゼットの配置パターンには、「I型」「Ⅱ型」「L型」「U型」の4種類があります。
それぞれ必要となる面積や使い方が異なるため、特徴を詳しく見ていきましょう。
I型
通路の片側のみに収納があるタイプです。
扉を付ける必要はなく、そこまで面積を必要としないため、余っている空間の有効活用としても設置できます。
ただ、その分収納力は少ないため、手持ちの衣類の量を考慮しましょう。
Ⅱ型
通路の両側に収納があるタイプです。
ある程度の広さを確保しなければなりませんが、その分収納力が高く、インテリア性からも人気があります。
L型
住宅の角に沿ってL字に設置されます。
収納が2面確保されるため、衣類の分類がしやすいのが特徴です。
U型
U字に折れ曲がるような作りになっている収納です。
直線的な作りではないため、I型やII型と比べると動線は複雑になりますが、3面設けられるため収納力は抜群です。
おすすめの設置レイアウト
ウォークスルークローゼットの間取りは設置する場所によって使い勝手が大きく変わります。
設置場所を決めるときは、生活のどの部分を効率化したいのかを考える必要があるでしょう。
ご自身のライフスタイルに合わせた設置場所を考えてみましょう。
玄関~リビング
リビングで朝食を取った後に身支度をして出かけたり、帰宅後に上着を脱いでからそのままリビングに行ってくつろいだりと、効率的な暮らしにつながるレイアウトです。
玄関から続くスペースにウォークスルークローゼットがあれば、靴や傘、スポーツ用品など多くのものを収納できます。
寝室~リビング
欧米でよく取り入れられているタイプなので、映画などで見たことがあるという方も多いのではないでしょうか。
起床後、身なりを整えた後でリビングに入れるため、時間を効率化できます。
キッチン~洗面所の間
キッチンから洗面所に抜ける動線があると、朝の忙しい時間に朝食の準備と洗濯を効率よくこなすことができるので便利です。
キッチンの近くにウォークスルークローゼットを設置することでパントリー(食材庫)として使うこともできます。
家事の効率化を重視したい方におすすめの配置です。
子ども部屋~大人の部屋
子ども部屋と大人の部屋の間にウォークスルークローゼットを作れば、小さな子どもがいる家庭でも子供に目が届きやすいので、安心して生活できるでしょう。
ウォークスルークローゼットのある物件で快適に生活していく
ウォークスルークローゼットは自分のライフスタイルに適した場所に作ることで最大限にメリットが活かされ生活の質を高めることができます。
住宅の購入やリフォームを考えているなら、ウォークスルークローゼットの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
ウォークスルークローゼットに興味を持っていただいた方は、お気軽にお問い合わせください。