段差の高さはどれくらいが最適?小上がり和室のメリット・デメリットまとめ
リフォームや新築で和室を作る時、小上がりの和室にするか、フラットな和室にするか、悩む方も多くいらっしゃいます。
今回は小上がり和室に焦点を当てて、小上がり和室を設置する際のポイント、メリット・デメリットについて紹介します。
小上がり和室とは
小上がりの和室とは、言葉の通り、床面に高さを設けて小上がりになった和室のことを指します。
リビング内に取り入れられるのが主流で、空間に高低差が出るため奥行き感を演出できます。
近年では、リフォームでも新築でも導入を検討される方が増えています。
小上がり和室のメリット
小上がり和室のメリットはどのようなものがあるでしょうか。
収納が増える
小上がり和室は、段差の部分に収納を作ることができます。
収納を考慮した幅や高さを確保できれば、収納スペースを増やすことができるというメリットもあります。
実際に、収納スペースの確保のために小上がり和室を作るという方もいらっしゃいます。
段差に座れる
小上がり和室があれば、段差に腰かけてくつろぐことができます。
フラットな和室と比べてテレビが見やすくなり、リビングやキッチンにいる家族ともコミュニケーションが取りやすくなります。
立体感のある空間になる
小上がりの和室があると、家の中にメリハリが生まれます。
立体感が出ると、おしゃれな空間になります。
リビングのほこりやゴミが入りにくい
段差がない一般的な和室は、隣接する部屋からほこりやゴミが入ってしまいがちです。
しかし小上がり和室なら、隣の部屋からのゴミの侵入を段差が防いでくれます。
布団を敷いてもベッドのように使える
小上がり和室を寝室として使うこともおすすめです。
段差があるので、ベッドのように楽に起き上がることができます。
起きてる時間は布団を押し入れにしまえば、空間を広く使えます。
ベッドを置くと部屋が狭くなってしまうのが気になる方にもおすすめです。
リラックスして寝転ぶことができる
フラットな和室だと、寝転んだ時に地面に寝ているような感覚になってしまって、リラックスできないという方もいらっしゃると思います。
しかし、段差のある小上がり和室なら不快感なくリラックスして寝転ぶことができます。
空間に変化が生まれる
リビングの一角に小上がり和室があることで、空間のアクセントになります。
家事・育児に重宝する
リビングにちょっとしたスペースがあると、洗濯物を畳んだり、アイロンをかけたり、子どもを寝かしつけたり、家事や育児にも重宝します。
小上がり和室のデメリット
バリアフリーには不向き
段差があるので、介護が必要になった場合などバリアフリーには向きません。
また、自動お掃除ロボットを使用する際にも段差は昇り降りできないことを覚えておかないといけません。
小さい子供がいる家庭は注意
小さいお子さんが暮らしている場合、段差が高すぎると落下する危険性があり、段の高さが10cm程度と中途半端でも、つまずきやすくなってしまいます。
小さいお子さんがいる家庭で小上がり和室を作る場合は、転んだ際に手をつけるよう、段の高さは35cm前後と安全な高さを考慮しましょう。
リビングが狭く見える可能性がある
デザイン次第で奥行き感を出せるかは異なりますが、リビングの広さや天井の高さによっては、リビングが狭く見えてしまう場合があります。
家具を置いても狭く感じてしまわないか、事前にイメージしておくことが重要です。
掃除がしにくい
家の中に段差があると掃除がしにくくなります。
とくに、ロボット掃除機を活用しているご家庭の場合、掃除機が段差を乗り越えられないので一気に掃除することができません。
散らかりやすい
小上がり和室を設置する場所によっては、上手くスペースの活用をしなくなって物置になってしまいがちです。
とくに小さい子どもがいる家庭では、おもちゃや洗濯物などが散らかってしまうことも考えられます。
常に整理整頓を心がけておかないと、せっかくのスペースが物置き場となってしまいます。
家具の配置が難しくなる
小上がり和室を設置することで、リビング部分のスペースが少なくなるため家具を置く場所が限られます。
そのため、あらかじめ家具の配置を考慮しておくことをおすすめします。
小上がり和室をおすすめする人
次のような人は小上がり和室を十分に活用できると思われますので、小上がり和室をつくることをおすすめします。
使用イメージが具体的に想像できる人
小上がり和室を使うイメージが具体的に想像できている人は、十分に活用できる可能性が高いためおすすめします。
子育て世代の人
小上がり和室は、赤ちゃんのおむつ替えから子どもの遊び場所としても使えますし、家族団欒の場所としても使えます。
ときには書斎として仕事や読書をする場所にも利用できますし、洗濯やアイロンといった家事もしやすいでしょう。
大容量の収納が欲しい人
限られたスペースに大型の収納スペースが欲しい人にもおすすめです。
居住スペースを確保しながら、大容量の収納場所をつくることができます。
外から見えない場所に片付けられるため、部屋をすっきりとした印象に保つことが可能です。
床に寝転がってくつろぎたい人
ソファや椅子でくつろぐより、床に寝転がってくつろぐのが好きな人にも小上がり和室がおすすめです。
畳のクッション性や肌触りが心地よく、快適にくつろげます。
来客が多い人
間仕切りで個室にできる場合は、応接間や来客者の寝室といったおもてなしスペースとして使えます。
また、来客が多いときに座る場所としても活躍します。
広い作業スペースが必要な人
趣味や仕事で広い作業スペースが必要な人におすすめです。
広い作業スペースがあれば、趣味を存分に楽しむことができるでしょう。
小上がり和室をおすすめしない人
小上がり和室をつくっても実際に使わなければ、スペースを持て余してしまいます。
そのため、使わない可能性が高い人にはあまりおすすめしません。
具体的な使用イメージが想像できない人
小上がり和室をどう使うか、具体的な使用イメージが想像できていない人にはおすすめしません。
小上がり和室をつくる際には、しっかり使用イメージを考えてから用途に沿った小上がり和室をつくることが大切です。
小上がり和室のメリットに惹かれない人
収納スペースや寝転がる場所を必要としていないなど、小上がり和室のメリットに惹かれない人は、実際に小上がり和室をつくっても結局使わないといったことになる可能性が高いです。
あまりメリットを感じない小上がり和室に、限られたスペースを取られてしまうことになるのでおすすめしません。
天井が低い、リビングの広さがない家
天井が低い場合や、リビングの広さがあまりない場合は、無理に小上がり和室をつくると圧迫感が出て窮屈な空間になってしまう可能性があります。
窮屈な空間は快適とはいえないスペースとなりかねないため、小上がり和室をつくるのは避けたほうがよいでしょう。
どうしても和室を設けたい場合は、フラットな和室のほうが圧迫感もないためよいでしょう。
小上がり和室のメリットよりデメリットが気になる人
小上がり和室の収納力やくつろぎやすさといったメリットよりも、圧迫感が出る可能性やバリアフリーでないなどのデメリットの方が気になる場合はおすすめしません。
小上がり和室はやっぱり撤去したいと思っても、撤去にも費用と時間がかかるため簡単ではありません。
積極的に欲しいと思わない場合は無理に設置しないのが無難です。
小上がり和室を作る際のポイントと注意点
小上がり和室を作る際に、注意するべき点は4つです。
間仕切りを付けるか
間仕切りを付けるかどうかは、小上がり和室の使用感や見た目は大きく左右されます。
間仕切りがないオープンタイプの和室は、家事や趣味の部屋として使う分には問題ありませんが、寝室として使う場合には向きません。
段差の高さ
小上がり和室の段差の高さは、安全な高さで設計したいですよね。
先ほど紹介したように、小さなお子さんがいなくても高さ10cm前後の段差は、つまずき事故が多いので避けたほうがよいでしょう。
小上がり和室の段差の高さは、30~40cmがおすすめです。
段差部分に座ることを考えると、一般的に立ったり座ったりする動作には30~40cmの高さが適切です。
段差部分に収納を作るとしても、高さ20cm以下だと収容できる量が少なくなってしまいます。
天井と身長のバランスも配慮しよう
小上がり和室の段差の高さを決めるときは、天井との差がどれくらいになるかの考慮もした方がよいでしょう。
身長が高い方がいる場合は、段差を高くしすぎると天井との差が少なくなり、圧迫感を感じてしまうかもしれません。
収納スペースを作る際は使い勝手をイメージしておく
段差部分に収納スペースを作ると、物を出し入れする度にしゃがむ必要があるため、よく使う人の体格と何を収納するかを事前に決めておいたほうが失敗がありません。
まとめ
小上がり和室には、さまざまな活用方法があることがわかりました。