環境にも人にもやさしいサスティナブル住宅とは?
近年、環境や経済などさまざまな分野で「サスティナブル(sustainable)」というキーワードが注目されています。
サスティナブル(sustainable)とは、持続可能性などと訳され、住宅建築の分野においても大きな注目を集めています。
欧米先進国における住居の耐用年数が60~80年と長いのに比べて、日本の住居は平均30年と実はとても短命です。
長く住み続けられる家づくりを意識することで、環境を破壊しないというメリットに加えて、住む人にもやさしい家づくりになります。
今回は、人にも地球にもやさしいサスティナブル住宅について解説します。
サスティナブル住宅とは?
一般社団法人 日本建設業連合会によれば、「サステナブル建築」は次のように定義されています。
サステナブル建築とは、設計・施工・運用の各段階を通じて、地域レベルでの生態系の収容力を維持しうる範囲内で、建築のライフサイクルを通じての省エネルギー・省資源・リサイクル・有害物質排出抑制を図り、その他地域の気候、伝統、文化および周辺環境と調和しつつ、将来にわたって人間の生活の質を適度に維持あるいは向上させていくことができる建築物を構築することを指します。
地球環境や地域環境に配慮しながら、長く快適に暮らしていける住まいを作ることが「サステナブル建築」だと言えるでしょう。
地球温暖化の原因になる石油エネルギーを使用することなく、太陽熱や風力など、自然のクリーンエネルギーを生かした住まいづくりを行います。
さらに、家を長持ちさせるだけでなく、解体時は廃棄物を減らし、建材の再利用ができるようにする配慮もサスティナブル住宅の特徴です。
今後の家づくりでは、持続可能なサスティナブル住宅の考え方が重視されていくでしょう。
サスティナブル住宅のメリット
サスティナブル住宅のメリットを紹介します。
自然エネルギーを取り入れた快適な暮らしを実現
サスティナブル住宅では、電気やガスに加えて光と風などの自然エネルギーを暮らしに取り入れることで、エネルギー消費の抑制につなげます。
例えば、落葉樹を配置すると、夏は太陽の日差しを遮り、冬は室内に光を取り込むことができます。
また、太陽光発電や太陽熱温水器を設置すれば、消費エネルギーを抑えられます。
その他にも、風邪や雨水、地熱などの自然エネルギーを活用することで、より環境に配慮した生活ができるだけでなく、光熱費削減にもつながります。
光熱費を節約できる
外壁や屋根の断熱性能を高めることや、断熱ドアや複層ガラス断熱サッシなどの部材を採用したり、深夜電力を活用したりすることで、「省エネ」を意識した家づくりができます。
また、太陽光発電や給湯・床暖房に太陽熱を利用することで、自然エネルギーをうまく活用した「創エネ」な暮らしができます。
また、蓄電池などが代表的ですが、エネルギーをためておき、必要に応じて取り出して利用する「蓄エネ」の考え方もぜひ取り入れたいところです。
電気自動車は、電気をエネルギー源としているため、太陽光発電などでつくった電気を利用することができます。
それだけでなく、太陽光発電などでつくった電気を電気自動車にためておけるため、その電気を家庭内で使用することも可能です。
省エネ・創エネ・蓄エネの3つは、サスティナブル住宅におけるエネルギー利用の重要な考え方といえるでしょう。
サスティナブル住宅のデメリット
サスティナブル住宅のデメリットは一般住宅よりも費用が割高になるという点です。
しかし、長期的な視点で考えると、必ずしも高コストとは言えません。
そのためサステナブル住宅を検討するときは、「購入時のコスト」と「長期的に見たコスト」を比べて判断することをおすすめします。
サスティナブル住宅の特徴
サスティナブル住宅には具体的に以下3つの特徴があります。
太陽光発電と蓄電システム
サスティナブル住宅の場合、太陽光発電システムは必須の設備です。
電力会社から購入する電気は、その大半がCO2排出量の多い化石燃料(石炭、石油、天然ガスなど)で作られたものだからです。
太陽光発電システムを屋根に取り付けていれば、そこで生み出した電気を自宅で使ったり、電力会社に売ったりすることで光熱費を節約しながらCO2削減に貢献できます。
あわせて蓄電システムを設置すると、昼間作った電気を貯めておいて夜間に使えるので、さらに節約することが可能です。
高断熱の窓と壁
住宅の窓と壁からは冷房や暖房などのエネルギーが逃げてしまいます。
この窓と壁に高断熱の材料を使用することで、室内の空気が逃げにくくなり太陽光発電で作った電気を無駄にすることなく使えます。
また、窓と壁の断熱性を改善すると健康にも良い影響があります。
高効率な空調・照明・給湯など
室内で使う空調・照明・給湯などを効率的な設備にすることでエネルギーを有効活用できます。
たとえば消費電力が少ないエアコンや、省エネ性能の高いLED照明、少ないガスで効率よくお湯を沸かす給湯器などがあります。
このほかにも「地場産の木材を積極的に利用する」「EVバッテリーを設置する」「雨水貯水の設備を置く」などがサスティナブル住宅に生かせます。
サスティナブルな家づくりのポイント
サスティナブル住宅では、構造や間取り・設備・使用する建材など、様々な観点で地球にやさしい家づくりが考えられています。
構造・性能
サスティナブルな家づくりの構造で重要なポイントは頑丈さにあります。
適材適所の素材が使用され、頑丈な骨組みが組まれていることが前提です。
木造住宅の場合、構造による頑丈な家づくりだけでなく、増改築などのリフォームがしやすいメリットもあるため、建て直さず長期間住み続けていくことができます。
そして、快適さをポイントにした性能も大事です。
高断熱住宅の性能を備えた家は、窓など空気の出入り口の工夫によって外気の影響を受けにくいため、快適な室温を保つことができます。
また、毎日を快適な室内で過ごせることで、冷暖房に頼ることがなくなり、光熱費の削減にもつながります。
次世代に受け継ぎやすい間取り
デザイン性を重視し過ぎた間取りは、次世代に受け継ぎにくいとされています。
そのため、持続可能な家づくりを意識したサスティナブル住宅では、シンプルで可変性のある間取りが重視されます。
また、骨組みにあたる躯体(くたい)や基礎などの構造部分と、内装や設備などを分離して設計する「スケルトン・インフィル住宅」なら、後から間取りを自由に変えることもできます。
自然素材を用いた建材
安心・安全を最優先し、無添加の自然資材を利用することで、完全性が守られた長く住み続けられる家づくりができます。
自然素材は時間がたつほどその味わいが増していくため、深みを増した自然素材の風合いを楽しみながら生活を送ることができるでしょう。
まとめ
環境意識が高まっている今、サスティナブル住宅はさらに広がっていくと考えられます。
サスティナブル住宅は、地球環境にも人にもやさしい家です。
高機能な設備を導入する分購入コストはかさみますが、長期的な視点で見ると光熱費の節約や補助金などでコストを削減できます。
当社では、自然素材を使用したリノベーション・注文住宅に力を入れています。