壁紙リフォームで環境にやさしい「エコクロス」を選ぶメリット
日本で最も普及している壁紙のビニールクロスは、燃焼時に有害ガスを発生するなどの問題を抱えています。
そこで自然素材を原料とした環境にやさしいエコクロスが注目されています。
この記事では、エコクロスのメリット・デメリットや、素材ごとの特徴について紹介していきますので、自然素材でリフォームを考えている方は参考にしていただけると幸いです。
エコクロスとは
地球環境の問題や環境保全について意識が高まっている近年、ビニールクロスに代わってエコクロスが注目されています。
エコクロスとは、環境にやさしい壁紙のことですが、その定義はメーカーによって異なります。
「健康に配慮した壁紙」「天然素材が原料の壁紙」「環境にやさしい壁紙」などがエコクロスと呼ばれています。
エコクロスの原料は、紙やウッドチップ、和紙、珪藻土、オレフィン樹脂などさまざまです。
燃焼時にダイオキシンなどの有害ガスを発生しないことや、空気中の有害物質や臭いを吸着することが環境にやさしいといわれる理由です。
エコクロスのメリット
エコクロスは環境にやさしい壁紙ですが、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?
一つずつみていきましょう。
人体にも環境にもやさしい
エコクロスは人体にほとんど悪影響のない自然素材から作られています。
素材によっては、通気性の良さや消臭効果も感じられます。
シックハウス症候群の原因とされるホルムアルデヒドを吸着する製品もあります。
また、焼却時にダイオキシンなどの有害ガスを発生させないため、環境にもやさしい建材です。
現在日本で最も普及しているビニールクロスは、ビニールシートに紙などを裏打ちしたものですが、ビニールの特性のため通気性がなく、部屋に湿気がこもりやすいという欠点があります。
さらに接着剤や材料に含まれる成分がシックハウス症候群の原因になる可能性も否めないことから、アレルギー対策には向きません。
このようなビニールクロスの欠点を解決してくれるのがエコクロスなのです。
臭いが気にならない
新築やリフォームでビニールクロスの壁紙を施工したばかりの時期は、独特な臭いが気になってしまうことがあります。
エコクロスは独特の臭いがしないため、壁紙を張り替えてすぐでも快適に過ごせます。
自然素材ならではの風合い
エコクロスは主に自然素材が使われているため、ビニールクロスでは表現できない風合いやデザインを楽しめます。
エコクロスのデメリット
エコクロスは素材によっても異なりますが、ビニールクロスより薄いことによる欠点があります。
汚れが落としにくい
表面に自然素材を使用するエコクロスは、水拭きできないものが多いです。
乾いた布で叩いたり、消しゴムで汚れを落としたりすることはできますが、水拭きができない分汚れを落としにくいというのはデメリットです。
中には水拭きできるタイプの製品もあるので、希望する方は施工前に確認しておきましょう。
なお、エコクロスはビニールクロスよりも汚れが付着しやすいので、油や水垢汚れが付きやすいキッチンやトイレといった水回りの壁には使用しない方が無難でしょう。
破れやすい
素材によって差はありますが、基本的にエコクロスはビニールクロスよりも薄いため、傷が付きやすかったり破れやすいといった欠点があります。
物をぶつけやすい玄関や廊下などには注意しましょう。
施工できる業者が限られる
エコクロスは薄いため、下地処理をしっかり行わないと下地の継ぎ目が浮き出てしまったり、施工する際にシワがついてしまったりという問題が起きてしまいます。
職人の技術が必要な上、手間がかかるため、ビニールクロスに比べて施工日数や費用が多くかかります。
エコクロスの素材・種類
ここでは、代表的なエコクロスをいくつかご紹介します。
珪藻土クロス
珪藻土とは藻類である珪藻の殻の化石から成る堆積物・堆積岩のことで、二酸化ケイ素を主成分としています。
珪藻土を使って塗装した壁紙は、調湿性が高く、消臭効果があります。
この珪藻土をクロスの表面に吹き付けて作られるのが、珪藻土クロスです。
珪藻土で塗装した壁ほどは優れた調湿性・消臭効果は持っていませんが、土壁風のクロスにしたい方におすすめです。
漆喰クロス
漆喰は主に消石灰を原料としており、調湿性と消臭効果を持ち合わせています。
この漆喰を表面に施した漆喰クロスも、珪藻土クロスと同様に塗装壁ほどの高い効果は期待できません。
しかし塗装した漆喰はひび割れやすいという短所があり、また施工費用も高額のため、漆喰クロスは漆喰調の壁にしたい方におすすめです。
オレフィンクロス
オレフィンクロスは、ポリエチレンやポリプロピレンなどの合成樹脂を主原料としています。
デザインのバリエーションが豊富で、水拭きができるためお手入れしやすいといったビニールクロスと似た長所がある一方、
ビニールクロスは焼却時に有害ガスを発生することに対し、オレフィンクロスは燃やしても有害ガスがほとんど発生しません。
また、オレフィンクロスはビニールクロスのような特有の臭いもほとんどありません。
オレフィンクロスはビニールクロスよりも価格は少し高めですが、見た目やお手入れのしやすさはほとんど同じです。
ビニールクロスの使い勝手の良さを求める方にも、より安全で安心して使える素材だといえるでしょう。
和紙クロス
和紙クロスは環境にやさしい自然素材のみを原料としています。
和紙ならではの温かみや風合いが魅力です。
和紙クロスについてはこちらの記事で詳しく紹介していますので、気になる方はご覧ください。
ケナフウォール
ケナフウォールは、一年草であるケナフを主原料としています。
非木材であるケナフのパルプを使用するため木々が伐採されることなく、また廃棄する際は土に埋めることで自然に還るので、環境保護にも貢献できる建材です。
ケナフウォールについてはこちらの記事で詳しく紹介していますので、気になる方はご覧ください。
ケナフを使った壁紙「ケナフウォール」の特徴、メリット・デメリットは?
まとめ
リフォームを検討中の方は、地球環境に配慮したエコクロスを取り入れてみてはいかがでしょうか?
エコクロスには使用される素材によってさまざまな種類があり、その特徴で選んでもよいでしょう。
ゆいまーるClubでは、自然素材にこだわった住まいづくりを行っています。