100%自然素材の「シラス壁」がリフォームにオススメな理由を徹底解説
最近、リフォーム素材として注目されているシラスという素材があります。
よく、漆喰の代わりとして壁などに用いられることが多いこのシラスという素材ですが、
今回はそんなシラスについて解説をしていきます。
シラスの原料
シラスとは、ざっくり言ってしまえば火砕流からできた土、となります。
主成分は珪酸です。
有名なシラス台地は、約2万5千年前の巨大な火山噴火で鹿児島県から宮崎県南部にかけて、最大150メートルもの厚さでシラスが積み重なってできたものとなっています。
よってこのシラスは、火山がもたらした養分の持たない土ということになります。
シラスの歴史
2万5千年前の巨大な火山噴火によって出現したシラスは、マグマが噴火と同時に冷やされて火砕流となり、堆積したものです。
シラスは桜島などで見られる降灰と混同されがちですが別物です。
シラス粒子の中には、マグマが一気に冷やされ火砕流となったため、噴火直前のマグマの成分が閉じ込められています。
シラスは非晶質の占める割合が60〜80%もあることで、他の火山噴出物とは決定的に異なる極めて特異な性質を持っています。
非晶質の場合は分子構成が不安定で活性化し、環境によっては触媒反応が起きやすくなることから、消臭・分解・殺菌・イオン化などの機能を発揮すると考えられています。
また、シラスは非常に細かい微粒子の中に無数の穴が開いた複雑な構造を持っています。
人工では作ることのできないこの極めて複雑な構造と成分構成は、優れた調湿・消臭効果を発揮します。
シラス壁の効果
そんな火砕流からできた土であるシラスですが、様々な効果があり約10年前から建築業界で着目され始め、壁の素材などに利用されてきました。
ここでは、シラス壁の大きな3つの効果について簡単に説明します。
消臭効果
シラス壁の一つ目の効果は、消臭効果です。
シラス壁は、生活臭、例えばタバコやペットのニオイなどを短時間で消臭することができます。
また、家具や他の建材から放出されたホルムアルデヒドなどの化学物質もしっかり吸着することができ、時間が経っても再放出しないという特徴を持っています。
そのため、新築によくあるシックハウス的な臭いもしないという利点があります。
このように消臭効果を持つシラス壁を用いることで、空気洗浄機がいらなくなるケースも多々あります。
調湿効果
シラス壁の二つ目の効果は、調湿効果です。
シラス壁は、湿度が上がると余分な湿気を吸収し、湿度が下がると湿気を放出するという特徴を持っています。
湿度は10%違うだけで体感温度を1℃変化させると言われているため、夏は涼しく、冬は暖かい状態の部屋を保つことができます。
節電効果
シラス壁の三つ目の効果は、節電効果です。
これは上記二つ目の調湿効果に紐づくのですが、調湿ができるということは気温の調節が可能ということになり、
結果的にエアコンの使用頻度が下がり節電に繋がるという効果があります。
除菌効果
シラス壁は消臭効果があるだけではなく、成分に含まれる酸化チタンによって有害物質まで分解してくれます。
空気中の菌を吸着分解できるため、小さいお子さんや高齢の方がいるご家庭におすすめです。
ただし、菌を100%死滅させる機能はありませんので注意しましょう。
また、シラス壁はマイナスイオンを出す効果があります。
シラスの主成分である珪酸塩鉱物がマイナスイオンを作り出すため、空気清浄機を使わなくても清々しい空気を保てます。
シラス壁のメリット
シラス壁のメリットを紹介します。
暖かみのある質感
シラス壁は漆喰壁や珪藻土壁と同じような質感を表現でき、ナチュラルで温かみのある部屋を演出してくれます。
また、紫外線に当たっても劣化しにくく、色あせや剥離現象もほどんどないため、こまめにリノベーションをせずに長持ちさせたい方にも適しています。
シックハウス症候群の心配がない
シラスは、100%自然由来の素材でできているため、シックハウス症候群を引き起こす物質を含みません。
さらに、塗料や接着剤に含まれる揮発性有機化合物(VOC)を吸着する性能もあるため、シックハウス症候群以外にも各種アレルギーや化学物質過敏症を持っている方にも改善効果が期待できます。
空気環境が快適になる
シラス壁の調湿・消臭効果により、空気環境が整い快適に生活することができます。
また、室内の結露も起こりにくいため、カビの発生を防ぎます。
冷暖房費を抑えることができる
シラス壁は調湿効果があるため、室内が快適な温度に保たれやすいです。
そのため、冷暖房の使用を控えることができ、結果的に光熱費を抑えることができます。
仕上げ方法の種類が豊富
シラス壁は職人さんの手によって施工されるため、オリジナリティのある内外装に仕上げることができます。
シラス壁の塗り方は様々で、ヘアライン・コテ仕上げなどで模様をつけたり、サラサラとした手触りを活かしてフラットに仕上げたりしてもよいでしょう。
自分のイメージに合った仕上げ方をしてもらえば、好みのデザインに仕上がるでしょう。
なぜリフォームに適しているのか
ここまでシラス壁の効果について説明しました。
では、具体的にどうリフォームに適しているのか、三つのポイントについて説明していきます。
割れない・剥がれない
一つ目のポイントは、割れにくく、剥がれにくいというものです。
自然素材の中でも強度が高い部類に含まれるシラス壁は、こすった程度でぽろぽろと剥がれてくることもあまりありません。
また、珪藻土よりも表面は強いため、割れにくく剥がれにくいのです。
塗り替え不要で綺麗なまま
二つ目のポイントは、塗り替えがいらず、綺麗な状態を保ちやすいというものです。
後述するシラスの耐久性にも紐づいてきますが、基本的にシラス壁は一度塗れば劣化がほとんどないため、綺麗な状態をずっと保つことができます。
長い寿命
三つ目のポイントは寿命が長いということです。
実はシラスとよく似た材料を使った建造物に、ローマ時代につくられたパンテオン神殿や、古代エジプトのピラミッドがあり、古代コンクリートの原料として使用されていたという事実があります。
これらの建造物は今もその姿をとどめているほど耐久性があるため、よく似た素材であるシラス壁は紫外線に強く、色あせや劣化もほとんどありません。
シラス壁のデメリットや注意点
シラス壁に限らず左官壁で仕上げる場合には、材料費・施工費が少々高くなり、乾燥時間がかかるためビニルクロスと比べると工期は長くなります。
また、人工樹脂などの材料を含んでいないため、建物の小さな振動や建材の収縮によってヒビ割れが発生する可能性もあります。
補修することは可能ですが多少の色違いができてしまいます。
また、シラス壁はビニルクロスのように表面を強く擦るように拭くことはできません。
ただし、静電気が発生しないためホコリを引きつけることはなく、シミも霧吹きで水を拭きかけながら掃除をすればある程度は落とすことができます。
このように、一般的に普及しているビニルクロスと比べると少々お手入れや掃除にコツがいりますが、それ以上にメリットが多いことも事実です。
メリット・デメリットを理解して、シラス壁があなたのライフスタイルに合うか検討してみましょう。
シラス壁は他の仕上げ材よりお得?
では良いところ尽くしのシラス壁ですが、気になる費用はどれぐらいなのでしょうか。
他の素材と比べてシラス壁がお得なのかどうか説明していきます。
シラス壁の費用
シラス壁の費用相場はクロスの約4倍となっており、珪藻土と同等の金額になっています。
珪藻土の費用
珪藻土の費用相場はクロスの4倍になります。シラス壁と同等に、費用はそれなりにかかってきます。
漆喰の費用
漆喰の費用はクロスの約4倍。
この三つの素材は同等の金額の素材だと言えます。
結局どれがお得?
費用で見てみると珪藻土が一歩リードする形にはなりますが、シラス壁はその耐久性のおかげで塗り替える機会が少なく済むため、
長期的に見ればシラス壁がお得になるケースも多いです。
また、結局のところどの素材がお得なのかどうかは専門家に見てもらうのが一番だと思いますので、
まずはお気軽に当社にご相談いただければと思います。