ケヤキのフローリングにはどんな特徴がある?メリットデメリットについてご紹介
皆さんは、ケヤキという木材をご存じでしょうか?
フローリングによく使われるケヤキですが、名前は聞いたことがあるものの、具体的にどのような木材なのか実際に知っている人は意外と少ないのではないでしょうか?
というわけで、今回はフローリングの木材としてのケヤキについて、そのメリットやデメリット、またケヤキの選び方についてご紹介していきたいと思います。
ケヤキとは
そもそも、ケヤキとはどういった樹なのでしょうか?
欅(ケヤキ)材は日本の高級木材の代表格として、古くから様々な建築物で使用されてきた木材です。
その特徴として、流れるような美しさを持った木目は観賞価値が高い他、堅い材質であり摩擦に強いと言われています。
ケヤキの色合いは、重厚感のある赤身と、香りにも特徴があります。
そうした特徴から特に、神社仏閣の主要な柱には必要不可欠な材であるとされてきました。
神社仏閣以外にも、戦国時代以降のお城やその城門にも好まれて使われています。
例えば、江戸城の残存物として重要文化財に指定されている「旧江戸城田安門」や「旧江戸城清水門」にも、ケヤキが使用されています。
また、ケヤキは立木の状態でも丈夫な木なので、排気ガスや道路の振動などにも強いです。
そのため、景観を守りながら、空気を浄化してくれる作用があるものとして街路樹に使用されてきました。
現在、全国で大木になった街路樹のケヤキが伐採されて、数は多くはありませんが、ケヤキ材の供給源ともなっています。
ケヤキのメリット
ではそんなケヤキですが、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
まず一つ目のメリットとしては、先ほどあげた木目が美しいということがあります。
ケヤキはその美しさから高級木材として取り扱われることが多く、やはり実際にフローリングの木材にしたときも、落ち着いた高級感あふれる雰囲気を実現することが可能になります。
ケヤキは色合いの個体差がとても激しい樹種ですので、オレンジ色の材木や、赤みを帯びた材木、金色に近い黄色い材木、白に近い材木など様々な種類があります。
丸太に製材すると、芯が赤っぽい材を赤ケヤキと呼び、芯が城に近い材を青ケヤキと呼びます。
赤ケヤキの方が観賞価値が高くなるため、それに伴い取引される価格が、赤ケヤキの方が高くなります。
また、木目以外にもツヤがよく色が美しいため、ケヤキは非常に見た目がいい木材ということになります。
ケヤキは使い込むことで、光沢が現れるためさらりとした肌触りになります。
ケヤキのデメリット
では、反対にケヤキのデメリットはどのようなものがあるのでしょうか?
ケヤキのデメリットとしては、加工が少し難しいことが挙げられます。
そのため、ケヤキは材の品質はもちろんですが、それを取り扱う業者の腕が問われる樹種でもあります。
ケヤキの加工技術が難しいといわれる理由は、ケヤキが頑強であり、暴れが起きやすいことにあります。
頑強であるがために、なかなか形を変えることが難しく、特に細かい変形をしようと思うと、木材自体を傷つけてしまうことにもなりかねないため、非常に扱いが難しいといわれています。
ちなみに欅は日本国内で産出される木材の中でもトップクラスの硬さを誇ります。
建材としてよく利用される杉材と比較しても、その差は歴然。杉材を加工するためのノコギリで欅を切断しようとすると、刃が欠けてしまいます。
あまりの硬さに戦国時代などで専用ののこぎりが開発されるまで、ケヤキは加工が不可能な木材だといわれていたほどです。
さらに頑強であること以外にも、暴れが起きやすいというデメリットもあります。
暴れというのも、ケヤキが実は製材の過程及び、加工後に至っても非常によく動く材なのです。
具体的には反りや伸び縮みが非常に起きやすいということです。
暴れが起きやすいため、極端な場合には割れてしまうこともあります。
こうしたトラブルを防ぐため、ケヤキの含水率には非常に気を使います。
丁寧に乾燥を行わないと大きな反りが生まれてしまいますし、乾燥が不十分な場合、加工後に暴れてしまい、製品が壊れてしまいます。
そのため、ケヤキをフローリングに使う際には経験豊富な業者に依頼することが必要不可欠です。
中途半端な業者の場合は、加工の難しさや暴れの問題から、フローリングが歪んでしまったりするので業者依頼には特に注意が必要です。
ケヤキフローリングのメンテナンス
ケヤキのフローリングをメンテナンスする時は、フローリングの仕上げの方法によって異なります。
よく使用される仕上げ方法は「浸透性塗料」「無塗装」「コーティング系塗料」があります。
これらの仕上げ以外にも自然塗料や高性能塗料などもあります。
基本的にケヤキは、硬質で丈夫なためあまり手入れを必要とせず、毎日の乾拭きや雑巾掛けだけで十分な色艶を保つことができます。
「浸透性塗料」を使用した場合
浸透性塗料とは、木の内部に浸透させて保護する塗料です。
乾いた雑巾などでホコリや汚れをしっかり取り除きましょう。
皮脂汚れや油汚れは、専用の洗剤を使用したり固く絞った濡れ雑巾で拭き取ります。
落ちない汚れは、サンドペーパーで削り取ることもできます。
2年に1度は、床全体に同じ塗料や専用のメンテナンス材を使用してメンテナンスを行いましょう。
「コーティング系塗料」を使用した場合
コーティング系の塗料は、木の表面に塗布して膜を作る塗料です。
掃除機を使用したり、乾いたフロアワイパーや雑巾を使用し、ホコリや汚れを取りましょう。
コーティングの膜が強いため、しつこい汚れも落ちやすいのですが、浸透系塗料とは違いサンドペーパーは使うと表面が傷ついてしまうため使用できません。
2年に1度、専用ワックスを塗ることでメンテナンスが楽になります。
「無塗装仕上げ」を使用した場合
塗装していない場合は、ホコリや汚れを乾拭きで取りましょう。
ツヤを出したい時には、ぬか袋を使用するのが良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、ケヤキについてご紹介してみました。
当社では数多くの木材選びの専門家がいますので、ケヤキに限らず、建築をお考えになられている方はぜひ一度お気軽にご相談ください。