コルクタイルの床の特徴、メリット・デメリットを解説
コルクと聞くと、ワインの栓が思い浮かぶ人が多いと思いますが、実はコルクは生活のさまざまなシーンに活用されています。
それほどコルクが重宝されているのは、多くの優れた特性を持っているからと言えるでしょう。
今回は、コルクを床材に使用したコルクタイルの特徴や施工費用を紹介します。
コルクタイルの特徴
コルクタイルとは、コルク樫の樹皮を板状に圧縮加工した床材です。
コルク樫の皮を剥がすと、数年でまた皮が厚くなり、木の寿命が尽きるまで、繰り返し皮を採取できます。
木そのものを伐採せずに、何度も採取できるので、環境にもやさしい天然素材です。
コルクタイルの床は、微細な気泡を持ち空気をよく含んでいるため、弾力性・断熱性・防水性・防音性・防炎性・調湿性に優れています。
さらに使用済みのコルクタイルは、細かく粉砕されコルクボードなどの他の製品に生まれ変わります。
木の寿命を保ちつつ生産され、リサイクル可能なコルクはエコな素材としても近年注目されています。
コルクタイルのメリット
コルクタイルのメリットを紹介します。
適切な温度と湿度を保つ
コルクには断熱性があり、外部からの湿気の侵入を効果的に防ぎ、適温を維持します。
また、保温性が高いため素足で歩いても冷えにくく冬も快適に過ごせます。
耐火性・耐水性がある
コルクの内部にはたくさんの気泡があり、この中には窒素が含まれているため燃えにくいという性質があります。
また、コルクは炭化膨張するため飛び火や延焼を抑えます。
そして、ワインのコルクを見てもわかる通り耐水性もあります。
水に浸けていても、吸水率はわずかで、吸い込んだ水分も素早く蒸発させ、元に戻ろうとする性質があるため、水回りの床材にも適しています。
防音性が高く足音も気にならない
コルクが持つ微細な気泡は、足音や物を落とした時の落下音や衝撃を吸収します。
足音や騒音を抑えられるので、お子さんがいるご家庭にも適しています。
すべりにくい
コルクタイルは表面に適度な弾力と柔軟性があるので、すべりにくく歩きやすいです。
高齢者やペットがいるご家庭でも安心して使用することができます。
アレルギー対策になる
コルクタイルは他の木材より腐食しにくい性質を持つため、ダニやシロアリなどの害虫の発生を防ぐ効果があります。
また表面は毛羽立ちにくく、ホコリの発生を防ぐ作用もあるため、喘息などのアレルギー対策としても効果が期待できます。
天然素材でリフォームができる
コルクタイルは天然素材であり、使用済みになってもリサイクル可能です。
環境への意識が高く、天然素材を使ったリフォームを希望する方に適しています。
コルクタイルのデメリット
続いて、コルクタイルのデメリットを紹介します。
具体的なデメリットを知り、導入するかどうかの検討をしましょう。
紫外線で色あせする
コルクタイルは紫外線によって色あせます。
特に窓際の日が当たる部分は色あせしやすいです。
ただし、色あせしてしまっても、見た目の色が変わるだけで性能に影響があるわけではありません。
補修するには張り替えが必要
コルクは補修が難しい素材です。
大きな傷がついたら、張り替える必要があります。
長く使い続けるためには、汚れが付いたら染み込む前にすぐに拭くことが大切です。
傷や家具の跡が気になることがある
コルクタイルは柔らかい素材のため、大きな衝撃による傷や家具の跡が残る場合があります。
傷を補修するには、張り替えをしなければ元通りにすることはできません。
施工できる業者が少ない
コルクタイルに限らず、自然素材の建材は施工に慣れていない業者が多いです。
コルクタイルの施工ができる業者も限られています。
そのため、コルクタイルを使いたいと考えても、お住まいの地域で業者を探すのに苦労する場合もあります。
コルクタイルがおすすめの場所
コルクタイルは、その特性からさまざまな場所で利用するのに適しています。
水まわり(キッチン、トイレ、浴室)
コルクタイルは、耐水性と耐湿性に優れているため、水まわりでの使用に最適です。
キッチンでは、調理中に水や油が飛び散ることが多く、床材には耐久性と掃除のしやすさが大事です。
コルクタイルはその点で非常に優れており、汚れが染み込みにくく、簡単に拭き取ることができます。
また、トイレや浴室では湿気がこもりやすいですが、コルクタイルは湿気に強く、清潔な環境を保つことができます。
さらに、コルクの弾力性により、足に優しく、長時間立っていても疲れにくいという利点もあります。
子供部屋
コルクタイルの柔らかさと弾力性は、子供たちが素足で遊ぶ際にも足触りが良く、もし転んでしまってもケガをしにくいという安全面でも優れています。
さらに、コルクタイルは防音効果が高いため、子供たちが走り回っても音が下の階に響きにくく、集合住宅や二階に子供部屋がある家庭には特におすすめです。
壁・天井
コルクは壁や天井にも利用できます。
湿度が高い時には吸湿し、乾燥している時には放湿するため、室内の湿度を適度に保つことができます。
これにより、カビの発生を抑え、快適な室内環境を維持することができます。
特に、リビングや寝室など、長時間過ごす部屋にコルクタイルを使用することで、快適な居住空間を作り出すことができます。
加えて、コルクの自然な質感と色合いは、室内のインテリアにも調和し、落ち着いた雰囲気を演出します。
階段
階段にコルクタイルを使用するのも非常に効果的です。
コルクは滑りにくい素材であり、階段での転倒を防ぐのに役立ちます。
特に高齢者や小さな子供がいる家庭では、安全面で大きな利点となります。
また、コルクの柔らかい質感により、階段を上り下りする際の足音が響きにくいです。
さらに、コルクタイルは耐久性も高く、頻繁に使用される階段でも長期間にわたって美しさと機能性を保つことができます。
コルクタイルの施工費用
コルクタイルの床にリフォームする際の費用は、本体と施工費をあわせて1㎡あたり9,000~20,000円が相場です。
同じく耐水性や吸音性の高さで人気のある床材と言えばクッションフロアですが、本体と施工費で1㎡あたり2,200~4,500円といったところなので、比較すると安いとは言えません。
ただ、コルクタイルの耐久性を始めとする特性を考慮すると納得できる価格と言えるでしょう。
コルクタイルの種類によってもさまざまな機能性を加えたものがあり、どのような機能を求めるのかによっても施工費が変わります。
コルクタイルの耐用年数
コルクは柔らかく、そのまま使用するとキズがついた場合、補修することが難しいという欠点がありますが、中には表面加工を施して、摩擦やキズへの耐性を高めたコルクタイルが販売されています。
腐食しにくく、ダニを寄せ付けない性質をもっています。
コルクタイルが、その性能を維持できる期間はおよそ50~70年にも及ぶと言われています。
ただし、コルクに傷がつくと修復が難しいので、退去時のタイミングで状況を把握し、注意して使用することをおすすめします。
まとめ
環境にやさしい自然素材のコルクタイルには、快適に過ごすための特性も多く備わっています。
床材選びに迷ったときは、コルクタイルも選択肢の一つとして検討してみてください。
ゆいまーるClubでは、自然素材にこだわった住まいづくりを行っています。